大学図書館員 坂本です

学びと遊びを考える

近畿大学通信教育部図書館司書コース 試験対策 図書館制度経営論

図書館と周辺の法律を挙げ、それぞれについて簡潔に説明してください。


1、 著作権法
 著作者の権利およびこれに隣接する権利を定め、その保護を目的とする法律。
 図書館の制度とは、直接関係のないものであるが、図書館サービスを行うにあたり、遵守しなければならない重要な法律である。

2、 個人情報保護法
 個人情報の適切な取り扱いと保護について定めた法律。図書館業務においては読書履歴を含めた登録名簿などの個人情報が外部に漏れないように管理し、図書館員の守秘義務体制を整えなければならない。

3、 文字活字文化振興法
 文字・活字文化の振興を総合的に推進するための国や自治体の基本的責務を定めた法律であるが、基本的には出版のことを指し、著作物再販制度の維持や著作者・出版者の権利保護の充実を示している。
図書館業務においては、図書館の発展を後押しする重要な法律である。

具体的な内容は以下となる。
1、 必要な数の公立図書館の設置と適切な配置
2、適切な図書館奉仕を提供すること
3、司書の充実などの人的体制の整備
4、図書館資料の充実
5、情報化の推進などの物的条件の整備
6、その他の公立図書館の運営の改善および向上のために必要な施策を講ずる
7、大学その他の教育機関が行う図書館の一般公衆への開放、文字・活字文化に関わる公開講座の開設
8、その他の地域における文字・活字文化の振興に貢献する活動を促進するため必要な施策を講ずる

4、 読書推進法
 すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行えるようにと、行政側の読書環境整備責務を明記したもので、学校図書館公共図書館の整備も求めている。また、政府はこの規程により「子ども読書活動推進基本計画」を策定し、図書館は深く関与している。

5、 労働者派遣法等
 大学図書館の司書においては労働者派遣法に基づいて派遣社員でまかなっている。公共図書館では指定管理者制度によって業務委託し運営されていることがほとんどで派遣社員は少ない。理由は派遣社員を一定期間雇用した場合、正規雇用の義務が生じるからである。

 

経営管理機能を挙げ、それぞれについて説明してください。


管理の基本機能である「計画」「組織化」「統制」、管理の促進機能である「動機づけ」と「調整」を以下に述べる。
1、 計画(プランニング)
 計画とは、職場の目的、目標を設定し、達成するための活動計画を作成することを言う。将来がどうなるかを研究して作成する長期計画と予算化をして具体的な実行計画を立てる短期計画、そして中間の中期計画がある。
2、 組織化(オーガナイジング)
 人、物、金という三大経営資源を無ズ美付け、目的・目標を達成するために、活動計画を効果的かつ円滑に果たすことができるように、仕組を作ったり、運営のためのルールを作ったりすることを言う。具体的には各々への仕事の分担、グループ化、各職位の権限や責任を決め、全体が一つの目標に向かって行動できるようにすることである。
3、 統制(コントローリング
 組織の各部門が目標達成のために計画通りに事業を進めているか、そのプロセスと結果を評価し、当初の計画との差異を発見したら修正する。
4、 動機付け(モチベイティング)
 人材を重要な経営資源と捉え、仕事に対する意欲を高めるために働きかけることをいう。
5、 調整(コーディネイティング)
 全体的な目標達成に向けて、個人の活動やグループの全活動を統合し、全体として調和が取れるように働きかけることをいう。

 

経営管理能力を挙げ、それぞれについて説明してください。


1、 専門能力
 特定業務の方法やプロセス・手続き・道具、それに特定のテクニック等に精通しており、それらを上手に使いこなす能力をいう。
2、 人間関係能力
 対人関係に関する能力である。具体的には組織の一員として他のメンバーと協力したり、集団のリーダーとして自由に皆が発言できるような社会風土にしたり、部下との間により良い協力関係を構築することができる能力をいう。
3、 総合判断力
 概念化能力とも言われ、職場内外の複雑な状況の中から、重要な事柄を掴み、それをことばとして表現できる能力のことをいう。この能力によって組織全体の複雑な仕組を理解し、自分の業務活動や自分の職場がどういう立場や位置にあるかを正確に判断することができ、ひいては全体組織の目標に向けて正しい判断や決断が可能となる。
4、 問題解決能力
職場の問題解決や課題に対して、解決のための構想を練ったり、具体的解決策にまで仕上げることができる立案・企画能力をいう。

 

組織作りの諸原則を挙げ、それぞれについて説明してください。


1、 スカラーの原則
 組織の構想改造についての原則である。組織を上層部から低層部まで、いくつかの階層に分け、階層ごとの責任・権限を明確にし、それによって命令が上から下まで、迅速に一貫して流れるようにするものである。
2、 専門家の原則
 組織を構成する各人が担当業務を継続して専門的に遂行することにより、専門知識と熟練を身に付けることによって経営の効率化が達成できるようになるとする原則。
3、 命令一元化の原則
 命令・指示は1人から受けるようにべきだとする原則。命令を一元化しないと誰の命令を遂行すればよいかわからず、現場は混乱する。
4、 管理範囲の原則
 スパン・オブ・コントロールとも言われるもので一人の監督者の統制範囲には適正な人数範囲があるとする原則。部下が多すぎると、管理監督が行き届かず、部下が少なすぎると過剰な監督となる。
5、 権限委譲の原則
 日常繰り返し起きる問題やルーチンワークは、基本的には部下に権限を委譲することで運営を円滑に進める原則。権限を委譲しすぎると管理不行き届きとなるが、ルーチンワークなど適切な範囲で行えば、人材の育成や活気ある職場風土を作ることができる。

 

レファレンスサービスの間接業務を挙げ、それぞれについて説明してください。


1,レファレンスツールの蔵書構築
 参考図書はレファレンスツールの1つで、辞書、事典、地図、便覧などの調べるための本である。このような参考 図書を利用できる環境整備ができていなければ、効率的なレファレンス業務を展開することは困難である。レファレンスツールに関する専門知識をもって、レ ファレンスツールを体系的に構築するためにも、人事配置、人材育成計画が重要である。
2,レファレンスブックの選定
 レファレンスブックの構築はレファレンス係にとって大切な業務である。図書館運営者はレファレンスブック構築の意義を十分理解し、組織の中に配慮しなければならない。
3,自家製ツールの作成
 既成のレファレンスツールが無い場合に、ニーズに応じて独自に必要なレファレンスツールを作成することである。新聞記事の切り抜きやパスファインダーなどの補助ツール作りも、大切なレファレンス業務である。
4,ネットワーク作り
 レファレンス業務での質問処理は、自館のみでは解決できない場合もあるため、レファレンスネットワークを構築し、他館と相互協力できる体制づくりが必要である。

 

人的資源のあり方における大学図書館での非専門的業務をあげ、それぞれについて説明してください。


1、 検収・受け入れ業務
 購入した資料が注文どおりのものであるか、不良品はないかなどの検収と、図書館蔵書として図書原簿などに記す業務である。
2、 会計処理業務
 図書館の予算を執行・管理し、予算書・決算書や予算執行状況表を把握したりする業務である。
3、 総務業務
 図書館に来る郵便物の受け取り・仕訳、文書の返答、アンケート回答、管内の営繕、物品調達、諸会議の運営、人事管理など多岐にわたる。
4、 図書加工業務
 図書整理に関わる業務で、ブックフィルムをかけたり、バーコード・ICチップを付与する本の整備や補修、簡易製本がある。
5、 資料の配架業務
 整理された使用を指定された一定の場所に配架する業務である。新刊書や返却本、所定の書架からはみだした本の配架や書架異動による配架がある。
6、 貸出・返却業務
 貸出カウンター業務のことをいう。ここでは、単純な貸出し・返却業務を指す。
7、 複写業務
 外部業者を入れて行う方法やセルフサービス、担当者が行うサービスなどがある。