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学びと遊びを考える

近畿大学通信教育部図書館司書コース 試験対策 情報資源組織論

図書館サービスという枠組みの中で、サービスとしての情報資源組織がどのような位置づけにあるかを説明してください。

サービスは、直接サービス(利用者サービス)と間接サービス(テクニカル・サービス)の2つに捉えることができる。

直接サービスは、閲覧、貸出し、レファレンスなど利用者と直接関わるサービスである。

情報資源組織は間接サービスに分類されるように、選書、発注、受け入れ、保存、破棄などと同じく、いわば利用者と間接的に関わるサービスとなる。

蔵書数が多い場合、情報資源組織で資料を検索可能にすることにより、閲覧、貸出し、レファレンスなどのサービスが可能となる。

 

目録に求められる基本機能を2つ挙げるとともに、それぞれについて説明してください。


1、 既知資料検索のための識別機能
 利用者にとって当該資料の存在が既知となった資料を入手するため、所蔵の有無を確認する検索である。
そして、特定資料について所蔵の有無を確実に示せる機能を「識別機能」と呼び、これを可能にするためには、利用者の持つ手掛かりから、柔軟に検索でき、かつ、十分な書誌情報を提供することが必要である。
2、 未知資料検索のための集中機能
 「ある著者の著作」や「ある主題の資料」などについて、網羅的にあるいは代表的なものを調べるといった検索である。
  そして、適合資料を適切に集めるための機能を「集中機能」と呼ぶ。
 この検索の評価は、所蔵する適合資料がどの程度網羅的にみつかったかという「再現率」と、どれだけ適合資料だけを見つけられたかという「精度」の点からなされることが多い。

 

自然語と統制語について、概要を述べるとともに、両者の必要性(有効となる場面)を説明してください。


まず、自然語と統制語の概要を述べる
・ 自然語
検索のときに思いつく日常使用している語のことである。書名中のキーワード、最新の語などがある。
タイトル、出版社名、注記といった目録記述中にその語が含まれていると検索できる。
・ 統制語
使用する語や記号を統一・統制した言語で、著者、無著者名古典、分類、懸命、シソーラスなどがある。
主題検索では、統制語彙表から選んだ語を用いて検索する。ノイズとモレのない適合率・際限度の高い情報検索が可能になる。
  次に、両者の必要性について述べる。
   自然語は同義語、同音異義語の問題がある。具体的には「書籍」を検索すると目録記述に「本」「図書」などの語が含まれていなければそれらは検索結果に出てこない。統制語ではそれらの同義語、同音異義語の問題を解消している。
   しかし、自然語には最新の語で検索できるという利点がある。日本における統制語の標準である『日本十進分類表』は改訂期間が長いため、コンピュータなどの最新の語は登録されていない。

 

区分の3要素について、具体例を挙げ、各要素の内容がわかるように説明してください。


まず、区分の三要素について述べる。
1、 区分原理
区分を行うための一定の原則・基準を指す。
2、 被区分体
区分される対象を指す。
3、 区分肢
区別された各部分を指す。

 次に、具体例を挙げる。
  料理という被区分体に、国という区分原理を適用すれば、和食、中華料理、イタリアン、フレンチなどの区分肢が得られる。
 なお、区分原理には一貫性がないと交差分類が起こってしまう。
 料理という被区分体に、国という区分原理と、地域という区分原理を同時に用いると、そこに郷土料理という区分肢が加わってくる。京料理は和食と郷土料理、両方の区分肢に属し、どちらに区分していいかわからなくなるということである。

 

日本十進分類法(NDC)』における細目表がどのような手順で構成(構築)されているかを、第1次区分表、第2次区分表、第3次区分表との関係を参考にして説明してください。


NDCの本体である細目表は「第1次区分表」「第2次区分表」「第3次区分表」によって構築されている。
まず、知識の総体を九つの学術・研究領域にわけ、それぞれを1~9で表示する。次に百科事典のような各領域にまたがる総合的・包括的な領域を総記と名づけ0で表示し、合計10区分(第1次区分)にグルーピングする。こうしてできたのが「第1次区分表」である。
次の段階では第一次区分の各々を、ふさわしい区分原理を適用して10区分し、合計100区分の「第2次区分表」とする。
さらに第2次区分表を10区分し、合計1000区分したものが「第3次区分表」である。
第4次区分表は細目表によってそれぞれの主題に応じて展開される。

 

分類規程とはどのようなものかを述べるとともに、具体例を挙げてその内容を説明してください。
分類規程とは分類結果に一貫性を持たせるためのルールのことである。
各図書館が作成する分類表の規程を定める作業は以下となる。

 


1、 付与する桁数の決定
2、 二者択一項目の選択・決定
3、 分類表中の名辞や擁護の意味の限定、解釈の統一
4、 類似概念の適用範囲の明確化
5、 新主題のための分類項目の新設・追加、不適当な分類項目の削除・不使用

NDCの分類規定は以下となる。
1、 主題と形式との関係は主題を優先する
 例、「生物学辞典」は、生物学を優先する。

2、 複数・並列主題は中心となる主題をもとに分類する
 例、「ウメ・イチジク・ビワ」はウメに分類する

3、 主題と主題の関係
 例、「ベトナム戦争とアメリカ経済」ではベトナム戦争によって影響を受けた、アメリカ経済に分類する。

4、 理論と応用では応用された方に分類する
 「原子力の理論と応用」では、原子物理学ではなく原子力工学に分類する。

5、 主題と材料では説明している特定主題によって分類する
 「教科書で見る近代日本の教育」は日本の教育に分類する。

6、 複数の観点があれば、主要な観点に分類する
例、「イネからご飯まで」は著者が、流通から見た米に観点を置いてあるのでそちらに分類する。

7、 主題と読者対象は特定の読者に書かれた場合、読者層を示す特定の分類項目に分類する
例、「警察官会話手帳」では警察官に分類する

8、 原著作と関連著作では、原著の分類される分類項目に分類する
 例、英語小説を翻訳したものは原著と同じ分類にする 

9、 新主題
 分類表に示されていない主題に関する著作は、その主題ともっとも密接な関係があると思われる主題の分類項目に収めるか、新しい分類項目を設けて分類する。

 

基本件名標目表(BSH)』の音順標目表に見られる記号「UF」、「BT」、「NT」、「RT」について説明してください。


・ UF
USE FORの略で「~の代わりにつかいなさい」という意味になる
・ BT
Broader Tearmの略であり、「上位語」と呼ばれている。これは当該ディスクリプタより意味的に上位であるディスクリプタということを示す。
・ NT
Narrower Termの略であり、日本語では「下位語」と呼ばれている。これは当該ディスクリプタより意味的に下位であるディスクリプタということを示す。
・ RT
Related Termの略であり、「関連語」と呼ばれている。
これは当該ディスクリプタより上位でも下位でもないが、意味的に関連しているディスクリプタを示す。

 

カード目録と比較したときのOPAC(およびWeb OPAC)の利点について説明してください。
 カード目録と比較したときのOPACの利点は、主に下記の通りである。


1、アクセス・ポイントの増加
 カード目録の場合、1つの標目ごとに1枚のカードが必要であり、タイトルの読み、著者名の読みなど、限られた種類のカードしか作成されないのが普通であった。また、付与される標目の順に排列されるため、標目の先頭の文字からしか探すことができなかった。
 OPACでは、記録されたすべての文字列からの検索が可能であり、文字列の一部からの検索や、複数の文字列を組み合わせて検索することも可能である。
 よって、カード目録よりもアクセス・ポイントが飛躍的に増加した。
2、時間や場所による制限の緩和
 カード目録の場合は、図書館の開館時間中に図書館に行くことでしか検索することができなかった。
 Web OPACでは、インターネットに接続されているコンピュータからであれば、24時間どこからでも検索が可能である。時間と場所の制限が緩和されたことで、情報入手に必要な時間が短縮された。
3、タイム・ラグの短縮
 カード目録では、カードの複製、排列などにかかる時間が必要で、実際に利用可能になるまでのタイム・ラグが大きかった。
 OPACでは、データの作成、修正、追加後のタイム・ラグがほとんどなく、利用者にすぐに提供することが可能になった。
4、状況に応じた適切な表示内容の提示
 カード目録では、利用者の必要とする資料のカードを探した時点では、その本が貸出中かどうかの情報は得られず、カウンターに問い合わせる必要があった。
  OPACでは、図書館の貸出・返却システムと連動させることで、資料の状況をリアルタイムで表示することが可能である。また、検索の結果をタイトルのみの 一覧で表示させたり、必要に応じて詳細内容を表示させることもできる。子供向けに漢字の読みを表示させることなども可能である。
 このように、カード目録ではなし得なかった表示方法がOPACでは可能になった。

 

サブジェクト・ゲートウェイ(subject gateway)の特徴を挙げるとともに、リンク集やパスファインダーとの違いを説明してください。


検索エンジンのみに頼らず、質の高い情報源を得るため、専門家による評価を行ったネットワーク情報資源の提示などを行うものが「サブジェクト・ゲートウェイ」である。
まず、特徴としては以下が挙げられる。
1、 公表された基準にもとづく知的な方法で情報資源を選択していること
2、 知的に作成された内容記述を備えていること
3、 かなり深くブラウジングできる構造・分類を備えていること
4、 それぞれの情報資源に関して人間によって作成されたメタデータを備えていること

次にリンク集及びパスファインダーとの違いについて説明する。
リンク集との大きな違いは、リンク集には上記の記述の3及び4が欠けているという点をあげることができる。
パスファインダーとの違いは、どちらも特定の主題を対象としていても、サブジェクトゲート・ウェイが直接的に情報を提示するのに対して、パスファインダーは直接的に情報を提示するのではなく、特定の主題に関する資料や情報を収集する手順、案内をまとめたものである。

 

索引とはどのようなものか、また、その役割について説明してください。抄録についても同様に説明してください。


索引は、目録では検索できない、雑誌や新聞などの記事レベルの検索を可能とする組織化の成果物をいう。
著者、タイトルのほか、主題からも記事を検索できるようにする役割を担う。これに加え、得られた情報から検索された記事が自身のニーズに合うものかどうかも確認できる。

抄録は、索引の中の書誌情報に収録されているものである。
資料内容の概要を示し、一読して内容がわかるようにする役割を担う。
これに加え、文献が入手困難だったり、文献が利用者にとって理解困難な言語で書かれている場合などには、文献の代用となる。さらに、書誌データベースでは、抄録中の語を検索対象にすることにより、タイトルや索引語からのみの検索よりも、モレの少ない検索が可能になる。