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大学図書館員 坂本です

学びと遊びを考える

近畿大学通信教育部図書館司書コース レポート対策 情報サービス論

司書資格

 

図書館利用教育実施のために必要な環境整備を述べるとともに文献調査法(関連語→文献探索法)の必要性を論じよ。

 

 まず、利用教育のために必要な環境整備を以下に述べる。

1.図書館活動の組織化

個人の図書館員の能力に頼る図書館活動は、

能力をもった図書館員がいなくなると、とたんに大幅な活動低下につながる。

 そのような状況を改善するためには、図書館活動そのものを育成するという考え方で、組織的、制度的に整備する必要がある。

 

2.業務の組織化による予算確保

利用教育の運営にはPR費用、教材作成のための費用、ビデオやDVD購入費・作成費などの予算が必須である。

予算の確保は、業務を個人の図書館員の活動に頼るのではなく、組織化されていなければ難しい。

 

3.教員との連携

図書館の利用教育の目的は、図書館の意義とする学習を支援することである。

よって、教員と連携することにより、学生に効果的な利用教育が行える。

 

4.利用教育実施マニュアルの作成

利用教育のクオリティに個人間で大きな差がでないようにするには、マニュアルの作成が効果的である。経験などから個人間の能力の差はどうしても発生するが、最低限の共通事項をマニュアル化することは、教育方法が明確化され、円滑に事業が行われ、教育を行う側と受ける側、双方にとって有益である。

 

5.館員研修

作成したマニュアルにもとづいて館員研修を行うことで、館員の能力の底上げを実行することができる。

 

6.レファレンスツールの設置

事前にレファレンスブックスなどの基本ツールを揃えた上で、利用教育を行うことで、教育効果を挙げることができる。

しかし、費用などの面から、ツールの準備が万全でない場合は先に利用教育をすることも一つの方法である。なぜなら、利用教育を行うことで、どのようなツールが必要か明確となるからである。また、その際に教員や学生に不足文献を知ってもらうことで協力を受けることも可能となる。

 

7.映像メディアの利用

 最近の学生は映像メディアに慣れ親しんでいることから、DVDなどの映像による教育は、受け入れられやすい効率のよい学習方法だと考えられる。

 また、予算を削減している図書館の現状を考えると、利用教育に割く人手を節約できるのはメリットとなる。

 なお、映像DVDを外注すると高額となることから、『図書館の達人シリーズ』という利用教育の共通ビデオを利用することでコストを削減できる。

 

8.その他の整備

このほか、教材の作成や館外研修などが考えられる。

次に、文献調査法の必要性について述べる。

文献調査法は、情報化社会に生きる者にとって、重要なものである。なぜなら、文献調査法を知ることで目的の資料に格段に早く到達できるからである。

この文献調査法は、学生のみならず、高学歴、高齢化社会、企業、ライフワークにおいても必要である。

しかし、日本においては小・中・高において、文献調査法を教える教員は少ない。これに対して米国では、低学年時から文献調査法や図書館利用法が教育される。このようなことより、日本の学生の論文は米国の学生の論文と比べ、質の低いものとなってしまっている。

具体的には、日本では「資料や情報の探し方といえば、最近はインターネットWeb情報のほうに頭が行っている者が多い。たしかにそれは便利であるが、やみくもに探している感を脱しない。」ような状況である。(注1)

また、インターネットでは誰でも情報発信できるため、ごみ情報などのノイズも多いことから、目的の資料を探すのに回り道をしてしまうことが往々にしてある。

このような実態から、次第に大学教育の中で、文献調査法がカリキュラム化されたり、図書館と教員の教育で図書館独自に指導を行うようになってきた。

こうして、文献調査法を知ることにより、雑誌記事や新聞記事をはじめジェネラル分野の図書、人名調査法における『人物レファレンス辞典』など、細かい資料を活用することができるようになるのである。

また、文献を探す時間が短くできることで、自分の趣味などに費やせる時間が増え、ゆとりのある生活を送ることができると考えられる。

以上のような利点があることから、義務教育など、なるべく早い段階で文献調査法を習得させることが必要である。